8Mar
2015.03.08 @九州大学
「こころ」から観る「ことば」の学習
講師:松見 法男先生(広島大学教授)
シャドーイングって知っていますか?
音声(音源、もしくは教師が言う)の後を聞き
手がかぶせるようにして全く同じ文を言うやり
方です。
私は今まで数えるほどしかシャドーイングを
行ったことがないのですが、今回、
シャドーイングの目的や効果をしっかり勉強
してきました!
大切な情報だけご報告しま〜す!
記憶は2秒!
ある情報を聞き取り、それを一時的に頭に記憶
できる時間は2秒だそうです!
例えば母語話者は、2秒間で「お母さんに怒ら
れた」と、このくらいの情報量を聞き取り記憶
できます。
しかし第二言語学習者は、聞き取ることにも
時間がかかり、同じ2秒間でも母語話者より
記憶情報量は減ります。
ですので、2秒間で多くの情報量を聞き取り、
保持できるような練習をすることが大切です。
◆ポイント◆
記憶容量には個人差があり、その容量が大きい
程、聴解や読解の成績が高くなります!
つぶやき読みの推奨!
つぶやき読みは黙読よりも逐語的であり、記憶
の促進を図ることができるそうです。
そして、黙読と同じ程度に深い意味的処理が
可能であり、記憶容量の小さい人でも文意
記憶の促進を促す効果がある、ということ
です。
効果的なシャドーイング!
シャドーイングのポイントをたくさん教えて
いただきました!以下、箇条書きでお伝え
しますね。
・シャドーイングの力と音読の力は=ではない
・少人数で行うこと(大人数では意味がない)
・文章の長さは1分〜1分半くらいがいい
・母語話者には少し難しめ、学習者には少し
易しめがいい
・シャドーイングの前に、しっかり文章の意味
を理解させておくことがとても大切
・例えば3冊のテキストを広く浅く繰り返す
より、1冊のテキストを50回した方がよい。
だんだん意味が分かってきて、そのうち意味
を先回りして考えるようになる=聴解時の
予測できる力に繋がる
・プロソディーシャドーイング
=音声的な練習
・コンテンツシャドーイング
=内容理解の練習
など、目的をはっきりさせ、
適切なシャドーイングを行う。
以上です。
一番印象深かったのは、シャドーイングの上達
に比例して、学習者が日本語の発話に
自信を持つ=自尊感情が生まれる、
というお話でした。
毎日日本語を発していることが、
普段のコミュニケーションへの自信へと
繋がるそうです。
皆さん、是非お役立て下さいませ!