17Jul
今日は、
『授業に役立つ小さなアイデア集⑱ーJLPT文法②ー編』です。
*『日本語教師の皆さまの「授業に役立つ小さなアイデア集」』過去の記事はこちらにあります。
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2024⑤
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2051⑥
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2058⑦
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2065⑧
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2085⑨
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→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2132⑪
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日本語教師の皆様のための 『授業に役立つ小さなアイデア集⑰ーJLPT文法①ー編』
でお伝えしました『JLPTの文法をぜ〜んぶ入れ込んでストーリーを作る』という教材の使い方をこちらにupさせていただきます。ですので、「教材を作ったあとで」から始まりま〜す!
Step1. 教材への興味付け
「いい教材」=「いい授業になる」ではないので、やはり「教えるStep」を細かく想像して、組み立てます。
そして、今回の教材ですが、自分なりに「パワー全開!」で作ったので、「最高に美味しい!」と思ってもらえるようなテーブルセッティングはしたいと思います。
そこでまずは、この「料理の紹介」=「教材説明」です。
T:「はい、Mさん、これを見て下さい。この中に、N5の文法が ぜ〜んぶあります!全部ですよ^^。そして、このストーリーもMさんのストーリーにしました。私、ちょっと頑張りましたよ^^;。今日は、これで 勉強しましょう!」
M:「そうですか〜、ありがとうございます!はい、頑張ります!」
T:「Mさん、このタイトル見て下さい。「けんさんと カレー屋に いきました」 です。分かりますか?」
M:「はい、分かります。あの、先生、けんさん、は、誰ですか?」
T:「けんさんですか?今は まだいません。今から多分、友達になります。だから、練習しましょう!(無理矢理ですが^^;)」
M:「あ、はい、楽しみです^^(と、私の空想に付き合ってくれます^^;)」
T:「ではMさん、この「けんさんと カレー屋に いきました」、意味がわかりますか?」
M:「はい、わかります。」
T:「Mさんは カレーが好きですか?」
M:「はい、好きです。とても好きです。」
T:そ「うですよね?前、聞きましたね^^ じゃ、日本のカレーを食べましたか?」
M:「はい、食べました。」
T:「そうですか、どこで食べましたか?」
M:「奥さんが 作りました。」
T:「そうですか〜。どうでしたか?おいしかったですか?」
M:「はい、と〜っても おいしかったです!」
T:「そうですか、よかったですね^^ モロッコにも カレーがありますか?」
*と、このタイトルから、少しストーリーに触れるところまでフリー会話を続けて
はいっ、じゃ、今から、Mさんとけんさんが、カレーのことを 話します。どこで食べましたか?どうでしたか? 今からよみましょう〜!
*と言って、ストーリーに興味を持ってから始めます。
Step2. 読み合わせる
T:「はい、では、見て下さい。これは、Mさんとけんさんの話です。私が「けんさん」です。Mさんは、Mさんですね。言って下さい。」
M:「はい、わかりました。」
T:「はじめまして、けん、と言います。」
*と、会話を始める。1セット(けんと、Mさんのやりとり1 回ずつ、が、終わったら)
「では、このけんさんの文、どうですか?わかりますか?単語、文法、全部分かりますか?」と、1文ずつ、丁寧に確認する、
M:「はい、え〜っと、ちょっと待って下さいね。あ、この「〜と 言います」は、何ですか?」
T:「はい、これは、「〜です」と同じです。でも、名前を教える時に、「です」より、もっと丁寧です。だからん、Mさんも、「はじめまして Mと 言います」でも いいですよ。」
M:「あ〜、そうですか。これ、今まで聞きましたけど、分かりませんでした。今、わかりました。」
*これは、実際のコメントです。
T:「では、次、Mさんの文、全部分かりますか?」
*と、Mさんの発話の意味も分かるかどうか上記同様に確認。
M:「はい、これは大丈夫です。」
T:「では、私が言いますから、次、リピートして下さいね。」
*Mさんの発話部分の意味が分かったら、今度は発音を整える。
というように、その日の学習部分までこのまま続けます。そして、その日のゴールまで行ったら、時間次第で最初からもう一度します。
Step3. 前回の分とからの復習+
どこまで遡るかは時間次第ですが、
T:「では、昨日の文も読みましょう。」
M:「はい、分かりました。」
*といって、前の分から読み合わせる。その時、
T:「この「とか」は、何でしたか?」
*というふうに、文法や語彙を覚えているか確認するために、質問をします。この「何ですか」という質問は、「説明」をすることに繋がるので、難易度は高いですが、とてもいい作文の練習になります。このように、パターンがない+とっさの質問は、一番難易度が高い会話Styleですので、チャレンジしてもらいます。
M:「え〜っと、「とか」は「例えば」ですね。これだけじゃありません、でも、例えばこれはどうですか?です。」
*この時、この説明がうまくできなくて、また、生徒さんのレベルに合わせて、この答え方も訂正することで勉強に繋げた方がいい場合は、上手な説明の仕方も教えることができます。私はあえてこのように「説明を求める」質問の仕方を多くします。
T:「いいですね!そうです、「とか」は「例えば」です。」というふうに、復習を進めます。
Step4. 漢字でチャレンジ!
T:「では、今日は、漢字もしましょう。では、これを読んで下さい。」
*と言って、漢字版の方を読んでもらう。ひらがな版でストーリーは覚えているので、漢字が読めなくても言えます^^; ですので、質問をしたり、漢字のポイントを教えたりします。
「じゃ、この「好き」ですが、左を見て下さい。この漢字は何ですか?」
M:「これは「女」です。」
T:「そうです。まず、左は「女」ですね。では、右は何ですか?」
M:「え〜っと、右は「子ども」です。」
T:「そうです、そうです。「好は、「女+子」です。Mさんは、子どもが好きですか?」
M:「はい、好きです、とっても」
*というように、簡単な確認ですが、「印象付け」のために、こうやって、立ち止まって、1つ1つ丁寧に見てもらい、頭に入れてもらいます。
実際に今日のレッスンで言われたことですが、JLPTの他の問題集で、昨日漢字を間違えたときに(外、の漢字)、以下のような説明をしていました。
T:「Mさん、これは「そと」です。いいですか?これは、とても簡単ですよ。まず、「外」の漢字の、左、これはなんですか?」
M:「これは、カタカナの「タ」です。」
T:「そうです、「タ」ですね。じゃ、右は、カタカナの何ですか?」
M:「これは、「ト」です。」
T:「そうです、そうです、これは「そと」です。そして、漢字にも、カタカナの「ト」がありますね?はい、もう今から 忘れるのが難しいですね〜^^」
M:「あ〜、わかりました。今、ちゃんと覚えました!」
というやりとりをして、今日、もう一度同じ問題をしました。そしたら、昨日の今日、ということもあるとは思いますが、全部出来ていました。そして、
T:「お!おぼえていますね〜。どうしてですか〜?!」
(と、また、説明を求める質問をあえてします)
M:「はい、昨日、カタカナの「ト」と、聞きましたから、もう大丈夫です。」
とのことでした。漢字の正しい由来の説明ではありませんが、でも、「印象づける」という目的でしたら、これで十分だと思います。
(2020年7月17日、実際の会話です^^)
Step5. 仕上げ
そして仕上げです!仕上げは、
①会話の仕上げ
②漢字の仕上げ
の2種類があります。
①の「会話の仕上げ」は、それぞれの会話の最初の台詞だけ残して、後は思いだしながら言ってもらうパターンを、よくします。
K:はじめ___________________________。
M:わたし___________________________。
K:モハメド__________________________?
M:はい、___________________________。
*最初からこのパターンが難易度が高ければ、途中にもヒントを出してもいいです。
例)モハメド_____、日本_____________か?
というように、です。これは、日本語学校で勤めていたとき、会話の授業の虫食いをするのに、よくやっていました。あ、これもきっとお役に立てる情報だと思いますので、次回のBlogで詳しくupしますね!今日はひとまずこの辺として〜、、、
また、完全にフリー会話で、覚えているものを使っても良いし、オリジナルで会話展開してもいいですね。
また、②の「漢字の仕上げ」ですが、これは、単に、漢字のシートを見ながら、自分ですらすらと言ってもらう、ということでいいと思います。
以上、いかがでしょうか?
昨日も今日もそうですが、特に日本で生活している学習者の方にとって、授業以外で聞く日本語量の方が多いと、「これ、よく聞くな〜、どういう意味だろう〜。」と、疑問を持ち続けていることも多くあるようです。そんな時、こうやって、自然会話をちりばめた教材で授業をすると、
「この「例えば」って、よく聞きました。」とか
「He saidって、どういえばいいか、ずっと言いたくても言えませんでした。これ、知りたかったんです!」
*両方とも、今日の授業でほんとに言われたことです。
という、質問はされてないけど、生徒さんの頭の中でもやもやしていたことを先回りして解決!ということができます。
っと、また長くなりそうですので、今日はこの辺までとさせていただきます。
どうぞ、少しでも皆さまの授業のお役に立てる情報でありますように♬
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