22Jul
日本語教師の皆様のための 『授業に役立つ小さなアイデア集⑪ー教案の作り方ー編』
『教案の作り方シリーズ』の、今日は「ドリル(練習B)」です。
過去の記事はこちらにあります。
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2024⑤
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2051⑥
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2058⑦
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2065⑧
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2085⑨
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2110⑩
1.「ウォーミングアップ」
2,「導入」
3.「導入確認」
4.「文法のポイントと形の確認(練習A)」
5.「ドリル(練習B)」←(今日はここです)
6.「ミニ会話(練習C)」
7.「応用/展開」
【5. ドリル(練習B)】
【目 的】
「文型の定着を図る」
【内 容】
『文型の定着練習』
今日も簡単です♬
これ、見えますか?⇩⇩⇩
◆ドリルの種類◆
ドリルの種類 | 説明&例 | 備 考 |
◆教師が言った単語や例文を繰り返す。 | 例)
T:「食べましょう」 S:「食べましょう」 |
・ リズム、スピード、イントネーション
などに気をつけながら。
|
◆文の一部を入れ替えて繰り返す | 例)
T:「これは 辞書です」 S:「これは 辞書です」 T:(雑誌を見せる) S:「これは 雑誌です」 |
・ 代入部分が2箇所以上になることもある
|
◆活用などを変換させる練習 | 例)
T:「見ます」 S:「見ました」 |
・ 肯定文→疑問文/肯定文→否定文
現在形→過去形 など。
|
◆2つの文を結合させる | 例)
T:「今日は約束があります。行きません。」 S:「今日は約束がありますから、行きません」 |
・2枚の絵を出すなど。 |
◆文の一部を与え、文を完成させる | 例)
T:「家を出ます」 S:「家を出るとき、「いってきます」と言います」 |
・ 前後の因果関係を定着させる。
|
◆文を付け足していく | 例)
T:「行きました」 S:「行きました」 T:「沖縄に」 S:「沖縄に行きました」 T:「母と」 S:「母と沖縄に行きました」 |
・ 長い文を覚えるのにいい。
・ 文の構造を覚えやすい。 |
◆質問に対して答えを言わせる。逆パターンも | <指示付きQA>
例) T:「スポーツは好きですか」(いいえ) S:「いいえ、好きじゃありません」 <指示なしQA> 例)T:「日本語はどうですか」 S:「とても 難しいです」 「○○さんは 日本語はどうですか」 S1:「難しいですが、とてもおもしろいです」 |
・ コミュニケーションの形になっている。
|
◆翻訳させる | 例)
T:「Book」 S:「本」 |
・ 口頭、フラッシュカード、写真など。
|
*みんなの日本語より抜粋
これは、私がまだみんなの日本語を使い始めたばかりの頃にまとめた「ドリル表」です。
内容は、みんなの日本語に掲載されているもの、だいたいそのままです。
巻頭、巻末部分って、結構便利な情報をまとめてくれていますよね。
そこを、自分仕様にまとめてキープしておくと、どの教科書で教える時にもかなり役立ちます。
基本的なドリルの仕方は、上記のような形、また、テキストに沿って、となりますが、「長くて言いづらい」という時は、区切って後ろから重ねて、などの工夫は必要になります。もうご存じの方も多いかと思いますが、念のためにアップしておきますね。
例)
S:「今日は5時までに帰らなければ〜。」
(長すぎて、うまく最後まで言えなかったとします。後ろから区切ってリピート、前のリピートにかぶせながら前の部分を長くしていく、というふうにします。)
T:「はい、「なりません」」
S:「なりません」
T:「なければ なりません」
S:「なければ なりません」
T:「帰らなければ なりません」
S:「帰らなければ なりません」
T:「5時までに」
S:「5時までに」
T:「5時までに かえらなければ なりません」
S:「5時までに かえらなければ なりません」
T:「今日は 5時までに かえらなければ なりません」
S:「今日は 5時までに かえらなければ なりません」
っと、こういうふうなコツは、ドリルの時にはよく使います。
そして、もし、テキストのドリルをそのまま使うのが面白くない、もしくは、少し応用として広げたい、という時は、登場人物や場所などを、学習者の実際の名前は場所にすると、リアルな練習になりますし、何より、とっても面白いですよ!
例)
T:「カリナさんは 今日 銀行に行かなければなりません。」(←教科書の例文)
S:「カリナさんは 今日 銀行に行かなければなりません。」
T:「李さん、天神郵便局」(←と、キューを出す)
S:「李さんは、今日、天神郵便局に いかなければなりません」(クスクス笑いながら答える)
T:「え、李さん、本当ですか?どうして 郵便局に行きますか?」
(と、時間があれば、この例文を本当の例文として、李さんんと会話を広げる)
S:「え、え、郵便局・・・」(と、少し焦る^^;)
T:「はい、李さんは今日、天神郵便局に行きますよね。どうしてですか?」
(という風に再度聞くと、あ、この続きを想像しないといけないんだ、と気付いてくれます)
S:「え〜っと、お金がありませんから。」
(また、手紙を出しますから、など、それに相応しい答えを返してくれます。)
T:「そうですか、何時に行きますか?」
S:「え〜っと、学校が終わってから行きます。5時くらいに行きます。」
T:「そうですか、分かりました。ATMは7時までですから、気をつけて下さいね。」
(など、リアルにアドバイスをする。)
S:「あ、はい、わかりました。」
と、最後まで、空想の会話に付き合ってもらって終わり、です。
ここは、あくまでも「ドリル+α」の部分です。
でも、こうやって不意打ちの会話を広げるのもとても楽しいですよ。
実際の場面の会話は、こんなふうに不意打ちのトピックも多いですから。
以上です。
では、少しでもご参考いただけますと幸いです。
夏休み、教師力をアップしたい!と、思っていらっしゃる方、どうぞ下記講座をお役立ていただければと思います!
【東京開催 8/10】「日本語教師の働き方と基礎力アップワークショップ」
【福岡開催 7/27,28 8/3,4】「文法集中スキルアップトレーニング」
→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2122
はぁとinternational株式会社 HP
→https://www.heart-international.info
日本語教師の数だけ起業がある!「自分らしさ」→「社会の問題解決」→「自分らしい働き方」
(日本語教師の自分スタイル起業サポートプログラム)
→https://www.heart-international.info/jic-leader/
初級文法なるほど通信トレーニング教材(初級文法に自信を)
→https://www.heart-international.info/③初級文法なるほど通信トレーニング/
個別トレーニングで弱点補強
→https://www.heart-international.info/日本語教師/個別トレーニング/
メルマガを配信しています
→https://88auto.biz/heart-jic/touroku/entryform2.htm