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日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集⑥ー【続】教案の作り方ー編』

日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集⑥ー【続】教案の作り方ー編』

こんにちは。

今回は、前回の続きを書きたいと思います。
(前回→日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集⑤→http://naruhodo-nihongo.com/?p=2024
少しでもお役に立てたら嬉しいです。

1.「ウォーミングアップ」←(今日はここです)
2,「導入」
3.「導入確認」
4.「文法のポイントと形の確認(練習A)」
5.「ドリル(練習B)」
6.「ミニ会話(練習C)」
7.「応用/展開」

の順番に、細かくアップしています。
今は「1.ウォーミングアップ」の途中です。

前回、以下の定義づけを行い、この目次に沿って書いていますのでご参考下さいませ。

【1. ウォーミングアップ】

【目 的】
「緊張をほぐす」
「モチベーションを上げる」

【内 容】
①緊張をほぐすための雰囲気作りのゲーム
②季節/行事のことなど、日本の豆知識として紹介したいことなど
③過去の定着していない項目の復習を少しだけ(助数詞/形など)←今日はここです。
④その日の授業に関連する物で、授業の入りに役立つもの
⑤学習者との楽しい触れあいの時間

①②に関しましては、こちらに過去の記事があります。

日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集⑤
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2024

では、今日の記事です。

 

今日も簡単です♬

③過去の定着していない項目の復習を少しだけ(助数詞/形など)
<助数詞-1 「名詞出しゲーム」×「助数詞」>

T:「皆さん、今から3分間で、この教室にある名詞をたくさんノートに書いて下さい。スタート!」
(この活動の進め方は、こちらの記事に細かく書いていますのでご参考下さいませ。そして、この活動が終わったとします。)
日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集③
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2012)

   「では、皆さん、「1個、2個・・・」は、どれですか?○を書いて下さい。では、1分!」
(つまり、自分達が書いた名詞の中で、「個」で数える物はどれか、という質問です。このような指示で、ノートを指さしながら言うと通じます)

S:「は〜い!」


T:「ではAさん、言って下さい。」


S:「消しゴム、ノート・・・・」(言い終わりました)


T:「Aさん、「消しゴム」はいいですよ。でも、「ノート」は、「個」じゃありません。みなさん、分かりますか?」


S:「え〜っと、枚?」


T:「枚は、プリントです、紙です。でも、ノートは違います。冊です。」


S:「冊?先生、初めてです〜!」


T:「そうですか、では、覚えて下さい。本、ノート、紙がたくさんあります、は、「冊」です」(と、ホワイトボードに書く)


S:「は〜い」
(と言って、それぞれノートに書きます。この後も、復習したい助数詞があれば、「今度は「〜つ」です。というふうに、続ければokです。また、教えていない助数詞を教えることになるかもしれませんので、それがまずいという場合は、「違いま〜す」だけ言って、新しい情報は提供しない、にしてもいいです。私はできるだけ教える方なので、上のような流れを書いています。)

「名詞を出す」のゲームから、「その名詞を数える」の復習に繋がるので、スムーズです。
これもなにも準備物がいりません^^

 

<助数詞-2 「日本の遊び」×「助数詞」>

T:「みなさん、これは何ですか?」

S:「??分かりませ〜ん。」

T:「そうですか。これは「けん玉」です。」(お手玉、おはじき、メンコ、トランプ、など、ご家庭にある遊び物があればなんでもいいです。)

S:「けん玉?」

T:「はい、そうです。けん玉、です。」(と、ホワイトボードに書く。)
「これは、日本の昔のおもちゃ、です。これは、どうしますか?どうやって 使いますか?(遊びますか?)分かりますか?」
(1人の子に持たせて遊ばせてみる。もう1人くらいにもやってみてもらう。遊び方の違いがあるかもしれないし、もし違いがあれば、面白いので^^)

S:「先生、こうですか?(これですか?)」

T:「そうです^^  はい、では、私にください。私は日本語の先生ですが、けん玉の先生です。(けん玉の先生でもあります、はさすがに難しいかな?と思い、このくらいの表現にしています。)」

S:「へ〜^^(ほんとに〜?!と、ワクワクした顔をし始める。)」

T:「では、しますね。」(と言って、けん玉をしてみる。そんなにうまくいかないので、何度か失敗して、そのうち、生徒が「先生、私にください〜」とか「私、したいです〜」とか言い始めます^^;)

「ちょっと待って下さい。私、もうちょっとがんばります!」(と言って続ける。1回できたら、その時に教師自身が「いち!」と言って、それを次に他の生徒に回す)

S1:「(何度か頑張って)に!」(と、2回目が成功する。こうやって、1回成功+数字を言う、をセットにして、それができたら次の生徒に、というように順番に回していく。5回目くらいから助数詞を付けるように指示する。)

T:「では皆さん、「個」を言いましょう!」(「個」を付けるように指示し、10個くらいまでできたら、次からは「枚」など、助数詞を変える。11からの続きの数字でもいいし、ここで一度区切って、また1から「枚」を付けて「10枚」くらいまで言わせてもいいです。)

<助数詞1>の練習は、名詞+助数詞の関係が正しく把握出来ているかどうかの確認。
<助数詞2>の練習は、正しく言えるかどうかの確認ですので、名詞がなくても発音が合っていればokで、間違っていたら、その場で訂正して、正しく言わせます。

S:「し枚」(4枚のことを「よんまい」じゃなくて「しまい」と言ったとします)

T:「??Sさん、4は「しまい」ですか?」

S:「あ、違います。よんまい、です!」

T:「はい、そうですね。では、もう一度〜!」(と、成功をリセットして^^; もう一度成功したら「よんまい」と言わせてクリア!にする)

助数詞って、中級になっても上級になっても、正確に把握するのが難しいですよね。
ですので、こうやっていつもゲーム感覚とか、授業に負担がないくらいで「慣れる」に活動を入れるようにするといいですよ!)

 

<形 「絵カード」>

絵カードの基本的な使い方はこちらにありますので、ご参考下さいませ。
(日本語教師の皆様のための『授業に役立つ小さなアイデア集④
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2019

そして、今回はちょっと新しい要素を取り入れます。この絵カードを始めるまえに、学習者が既に習っている「形」をボードに横向きに書いておきます。
(例:「ます形」「ます+否」「ます+過」「ます+過否」「て形」「て形+否」「辞書形」「辞書形+過」「ない形」「ない形+過」「た形」「て形」など、こんなに細かくじゃなくてもいいですが、生徒のレベルとか負担に合わせて、細かさを調整して下さい。「否」とか「過」などの漢字が分からなかったら「ません」「ました」とかの書き方でもいいと思います。)

T:「はい、今日も絵カードします!でも、今日はちょっと難しいですよ〜!」

S:「は〜い!」

T:「皆さんこれは?」

S:「食べます!」

T:「はいそうですね。では、これは?」(と言って、先ほどボードに書いた2番目の形を指さす。この場合「ます+否」)

S:「食べません。」

T:「はい、okです!じゃ、これは?」(と言って、先ほどボードに書いた3番目の形を指さす。この場合「ます+過」というように、「あ〜、これを横に順番に言うんだな〜というルールが把握できた顔をしてたらokです^^)

S:「食べました。」

T:「はい、みなさん、ルールが分かりましたね。これを1人、1人、言います。」(と言って、横に1人ずつ言っていく、というルールを把握する)

S:「は〜い!」

T:「はい、ではこれっ!」(ボードの4番目を指さす)

S1:「食べませんでした」(Tは、「はいっ!」+「笑顔で頷く」だけです。いちいち「はい、いいですよ〜」とかみんなに言ってたら、テンポがずれてしまうので、笑顔で、okを表現します)

T:「はいっ!」(教師の指示語もだんだん省き、はい+指さしだけでテンポを作る)

S2:「食べて」

というように続いていきます。
形を復習しているだけですが、どこかに「チャレンジ」が入るとゲーム性が生まれます。

だいたい簡単にゲーム性を出すときは「テンポ」「時間制限」が簡単で便利です^^

以上です。

次回は④「その日の授業に関連する物で、授業の入りに役立つもの」をアップしたいと思います。

このシリーズを書き出して

「前回の授業でやってみましたが、上手にできました!」とか「アイデアに困ってたので、とても助かりました〜」というメッセージをいただくことが増えました。私もとても嬉しいです。

私はこの記事を書いている目的は、
「日本語教師の皆さんの準備時間を10分でも20分でも減らして、その10分や20分を、ご自分のために、ご家族のために使って欲しい」という思いからです。

もし記事の中で「これ、分かりにくいな〜」というものがあれば、いつでもご遠慮なくコメント下さいませ^^

では、まだまだウォーミングアップで申し訳ないのですが^^; 頑張って丁寧にアップしていきたいと思います♬

明日の授業も頑張って下さい!

 

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