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『生チョコを食べたことがありますか』って、「経験」を教えたことがありますか?

「〜たことがありますか」って、登竜門ですよね、日本語教師の皆さんにとって。

多くの日本語学校で

「〜たことがあります」の模擬授業をお願いします、って言われるようです。

 

「〜たことがあります」の文法ポイントは以下の通りです。見えますか??

そして、これをどうやって教える?!ですが、

 

「〜たことがあります」の文法ポイントで大切なことは

①過去の人生で数回しかしていない。

②珍しいこと

③近い過去には使わない(半年とか1年くらい前以上昔でしょうか、自然なのは・・・?)

④時を表す言葉と一緒に使わない。(昨日とか、去年とか)

⑤どうして過去のことなのに、「あります」って、最後過去形にならないの?など疑問が生まれるかも?また、「食べました」と「食べたことがあります」の違いが分かりにくいと感じる生徒がいる、ということ。

等等、こういうポイントを押さえる+「自然な導入」を求められますよね。語彙コントロールをしながら。

 

よくある導入として

「皆さん、これはなんですか?そうです、富士山です。私は2年前、富士山に登りました。私は富士山に登ったことがあります。」というふうに持っていって、「歌舞伎を見たことがあります。」「相撲を見たことがあります。」と、いうような例文を続ける模擬授業は何度か見たことがあります。

日本語学校によっては、もっと自然さを求められたり、いろいろと要求を言われることもありますが、私がよく皆さんにアドバイスさせていただいているのは

「導入は、「思い出す」で、だいたい対応出来ます^^」

ということです。

例えば私の場合、先日こんな風に使いました・・・。実際のことです。

末っ子ちゃんと天神(福岡の中心街)をぶらぶらしてて、すっごい行列の店がありました。よく見ると「タピオカ店」でした。でも、今さらなんでタピオカの店にこんなに行列が・・・と思い、末っ子ちゃんに

母:「あれ、なんで、あんなに並んでるん?ただのタピオカの店でしょ?」

子:「あ、あれは、生タピオカのお店で、今めっちゃ流行ってるお店なんよ。お母さん、知らんの?」

母:「知らんかった。美味しいんやろうね、あんなに並んでるってことは。え、○○(←末っ子ちゃんの名前)、飲んだことある?」

子:「いや、まだないんよ。飲みたいけど、いっつも行列がすごいけん。」

母「へ〜、そうなん。お母さんも飲んだことないな〜。今度人が少ない時、飲んでみよ〜っと。」

と、実際に使いました。

「富士山」「歌舞伎」「相撲」・・・外国人の方と話をする時に確かに使うかも知れません。でも、上の私が実際に使う「日常生活の中の場面」を提示すると、その行間に、リアルな感情や展開が生まれます。

それはそうですよね、「作った導入」じゃなくて「思い出した導入」ですので。

だから私は前から、導入を考えるのがとても好きでした。

でも、実際、導入作りに苦戦されている教師の皆さんが多いようです。

「でも、未習、既習語彙があるから・・・」と、もちろん学校によっては、そのようなルールがありますね、結構。

なので、このようにしてみました。

 

①上のように、方言もそのまま、「リアルに思い出す」が1番

②未習、既習語彙という視点から会話を修正していく

という、2段階で作ってみました。時には、語彙コントロールだけじゃなく、「タピオカは知らないかもしれないから、ラーメン屋とか、新しいお店、って言葉に代えよう」でもいいと思います。

そして、上の会話を「教える用」にアレンジするとすると・・・

 

A:「あれ、どうしてあんなにたくさん人がいますか何のお店でしょうか?」

B:「あ、あれは、北海道ラーメンのお店で、とても人気があるお店ですよ。Aさん、知りませんか?」

A:「はい、知りませんでした多分、美味しいですね。あんなにたくさん人がいますから。え、Bさんは、食べたことがありますか?」

B:「いや、まだです食べたいですがいつも人が多いですから、まだ食べていません(or 食べませんでした)。」

A「そうですか。私も(まだ)食べたことがありません。今度一緒に行きましょう。」

という感じでしょうか?変更部分を赤字にしています。

①です/ますに変更することで、親子関係ではなくなる

②使用テキストによって、未習、既習語彙が変わるので、その範囲内でコントロールする。

と、関係と言葉が変わってきます。

このように赤字部分が多いですが、1番大切な「自然な流れ」はそのままです。

なんとなく場面が浮かんできませんか?こうなると、「〜たことがあります」が、す〜っと入りやすくなります。

そして、

「食べました」と「食べたことがあります」の違いを教えることになります。その段階で、上の資料の中のポイントをおさえます。

だいたい「〜たことがあります」は、時間軸を書いて、それをもとに展開すればだいたいきれいにポイントを教えることができますよ。

どうでしょうか?

少しでも皆さんのお役に立てればと思います。

では、5月はまだまだ不安定な日本語教師の皆さんも多いかと思います。

いつでもここから応援しています。

頑張って下さい!!

 

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