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日本語教師の皆様のための『授業に役立つ会話→導入例』です♬

今日は

『授業に役立つちょっとしたアイデア集①』

を、ご紹介したいと思います。

「導入」って、「日常会話の自然な場面を思い出す」と、以前こちらにも書きましたが、今日は、「導入に入る前→導入」の流れの一例を書きたいと思います。

 

『導入は生徒との一期一会を楽しむ時間』でもあります♬

養成講座や、日本語学校での教案指導は「これ!」っというふうに、型にはまったスタイルを求められることが多いかも知れませんが、私は(可能な状況の時は)いつも、導入で「生徒と会話を楽しむ」→「あれ?導入だった?」という流れでやっていました。

例えば、

T:みなさん、おっはようございます〜!あ、私、昨日、テレビで見たんですが、ベトナムって、本当に料理が美味しい国なんですね。調べたら、世界の美味しい食べ物ランキングで、1位でしたよ、びっくりしました!皆さん、知っていましたか?

S:先生、そうで〜す。ベトナムの料理はとても美味しいですよ〜!先生は、何が好きですか?

T:(この質問が来る、と予測して)「なまはるまき」、分かりますか?

S:??、先生、分かりません、どんな食べ物ですか?

T:これです、これ!(と言って、生春巻きの写真を見せる。)


S: あ〜、これですか。はい、美味しいです!

T:これ、ベトナム語で、なんと言いますか?

S:これは「gỏi cuốn」と言います。

T:え、何、何?もう一度教えて!

S:「gỏi cuốn」です。

T:「gỏi cuốn」ですか?

S:そうです、先生上手です^^

T:本当?うれしい^^。私はまだ、ベトナムに行ったことがありませんが、行きたいです

S :はい、先生、ぜひ来て下さい〜!

T:ありがとう。あと、フォー、分かりますか?これもとってもおいしそうでした!

S:あ、フォーですか、はい、フォーも有名です。先生は、フォーを食べたことがありますか?

T:いえ、食べたことがありません。でも、昨日テレビで、このフォーを見ました。

食べたことがありませんが、テレビでみて、とってもおいしそうだと思いました。

S:先生、フォーはいろいろな種類があります。鶏肉、牛肉、とか、いろいろな種類がありますよ!

T:そうですか!ベトナム、おいしい国ですね^^ また、私にたくさんベトナムのことを教えて下さいね!

S:は〜い、私達、たくさん先生に教えます♬

これは例ですが、私が意識しているのは

 

①教えようとしない、ということ。

②教師としてではなく、一個人として、生徒達との限られた期間での出会いである「一期一会」を楽しむ!こと

の2つです。

 

あと、上の会話の中で、ちょっと意識していることといえば、

あ、私、昨日、テレビを見たんですが
→日常会話の普通のテーマから入る(授業が始まった、って気付かれないように・・・=緊張を生み出さないように、そ〜っと^^;)

料理が美味しい国
→生徒の国に純粋に興味を持ち、好きな部分を伝える
(これは、わざと「褒めるところを見つける」ではなく、本当に自分が生徒の国を理解したい、好きなとこ増やしたい、という思いを持つ教師でありたい、ということの単なる表れです)

世界の美味しい食べ物ランキングで、1位
→お世辞で褒めている訳ではなく、本当にそうなんだよ、という事実を準備する。「お世辞じゃないよ、ほんとだよ!」と伝えることで、生徒は褒められることから逃げられない?!のです^^

ベトナムの料理はとても美味しいですよ
→自分の国自慢のスタート!を、楽しく切ってもらう^^

「なまはるまき」
→具体的な例を出すことで、その説明を生徒が始めることが出来る=日本語をたくさん話す機会が提供できる。私が生徒に、生徒が教師に立場を変えることが出来る。

??、先生、分かりません
→あえて日本語で言って、その後、ベトナム語を教えてもらうきっかけを作る。(言語に対して興味付けを行う)

これです、これ!
→共通言語である「写真」を見せて、理解を促す

これ、ベトナム語で、なんと言いますか?
→いつもと立場が逆転することで、教室にワクワク感が生まれる。「あれ?俺たち、先生にベトナム語教えているじゃん、いつもと逆だね、フフフ^^」というちょっとした非日常感です♬

え、何、何?もう一度教えて!
→ちゃんと学びたい!という、日本語のレッスンなのに、本気でベトナム語を学ぼうとする先生、という、こっけいな図が生まれる。。。

先生上手です^^
→教師が生徒に褒められることによって、生徒に自己・自国肯定感に近い気持を感じてもらえる

私はまだ、ベトナムに行ったことがありませんが、行きたいです
→決定的に生徒の国に完全に興味を持ったことを伝える

あと、フォー、分かりますか?
→もう一つ例を出すことによって、もう一度同じ会話パターンを繰り返すことが出来る。1回目に提示した日本語パターンの中で、生徒の発話に間違いがあればそこで訂正し、それを次のパターンで使うようにあえて同じ会話の流れを作る。
(もし「〜たことがあります」を、習ってたけどまだ慣れてなかったら、最初の会話の時に訂正し、次のパターンで上手に使えるようになる、という流れをさりげなく^^;)

先生、フォーはいろいろな種類があります
→この辺りに来ると、完全に「日本語の授業」とか「導入」とかの気配がなく、ただ単に、おもしろいトピックについてみんなで会話をしている、先生に、もっともっと自分の国を知って欲しい!という気持になる。

は〜い、私達、たくさん先生に教えます♬
→すっかり気分がよくなって、あっかるい気持と雰囲気で授業にgo!できる^^

です。

上の会話が、語彙コントロールにひっかかり、難しすぎる、ということでしたら、こうやって「自然な会話の流れ」を生かしながら「言葉の難易度を下げる」という2段階で調整して下さい。
http://naruhodo-nihongo.com/?p=1941

これは、「会話のコツ」ということをお伝えしたいのではなく、「生徒に対して、生徒の国に対して本当に興味や好意を持つと、こういう会話になる」という、自然な流れです。

「導入のためにこうもっていこう」とか、そういうことではなく、「私が生徒だったら、先生が自分達の国のことを知りたくてたまらなくて、授業中なのに、そんなのとっぱらって先生が夢中に会話しようとしてくれたら、きっととても嬉しい気持になるな〜」という思いから、それを生徒に「あなたの国が大好きです!」という代わりに、会話で表現した、というだけです。

だから、私はあまり「○○のコツ」という言葉が好きではなく(時々私も使っていますが、本当は「コツ」=「小手先のコツ」を伝えたいわけではなく、「思い」→「表現」として出て来たものを分析すると、「コツ」と呼ばれるものが浮き出てくる、と、あくまでもこの流れを大切に、忘れないようにしたいといつも思っています。「思いから」ですね。

そして、上の会話は、こんなパターンを何回もやってきて、私なりに、生徒達が「楽しそうだった」と思った例としてこちらにアップしました。

いかがでしょうか?

って、一体これ、何の導入・・・?

楽しく会話して終わっただけじゃん?

って思います・・・か?

これは「〜そう」(=おいしそう)の導入になっているんですよ^^

あとでそこに戻ると、生徒達も、このトリック?!に

「あ〜、なるほど〜、今日の文法も入ってたんだ〜、やられた〜><」とは言いませんが^^;でも、最後はちょっとだけ私が「ふふふ、気付かなかったでしょう?!」という空気を味わえるのです^^

とにかく「楽しい」続きの導入例です♬

もし、一つでも何か参考になる部分がありましたら、是非、お試し下さいませ。

また時間見つけてアップしま〜す!

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