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『私は、奴隷になるためにこの国に来たのだと分かりました。』

こんにちは。

「技能実習生」と「子どもの虐待」のニュースが毎日のように流れる中で、胸が痛みながら、自分がやっている活動と、どう重ねれば私が早くその人達のもとに近づけるのだろうと考えない日はありません。

そして、こう思っている間にも、改善されない状態が日々続き、自分の無力さを嘆く、ということを何回も繰り返してきました。

そしてそんな時、自己満足の納得の仕方かも知れませんが、こう考えることで自分の道に、更に力を注ぐことに集中します。

私は、ホストファミリーとして、世界中の方々を受け入れてきました。

その中で、17歳のフィリピン人の男の子がいました。
その子はその後、その当時の性格通り、まっすぐに人のために生きる人生を送り、数年前から国連で働いています。

私がアメリカ行く時は必ずその子に会って、その時々のはぁとの活動の相談をしたり、国連の仕事や考え方についてできるだけ細かく教えてもらうようにしています。

数年前、ある質問をしました。

「世界中で起きている、たくさんの死者がでるような社会問題、国際問題があるでしょ?それって、解決のステップとか、何か軸のような考え方ってあるの?」

の答えに

「はい、あります。どんな問題も、「現状の問題解決」と「新しい世界の構築」という、この2つを同時進行で進めます。そして最後は、国連が関わらなくてもいいように、リーダーを育て、そのリーダーを中心に「自立」を生みだし、それから国連は手を引きます」と。

そして、この答えにもいくつか質問をしました。
「どうやって?」「じゃ、こうなったら?」など。

それからこの答えは、私の中の考え方の軸として、私自身、ずっとずっと支えてもらうことになりました。

①現状の問題解決
②リーダーの育成
③新しい世界の構築

常にこれを意識しています。国連の考えは、遠い世界の人達だけのものだけじゃなく、人として1番シンプルで、腑に落ちる答えを出してくれているはずです。

その時のその子との会話は、その時国連の売店で買ったノートに、細かく書いて残しています。

「日常生活と世界の問題解決」は、とても近い場所にあります。
だから私は、日常生活の中で「世界平和」という言葉を、使い続ける、と決めています。

世界の全ての人の「日常」が平和になりますように、と、こう願うことにしています。

現状の問題解決は、それぞれの問題の専門家が対応するのがもちろん即効的です。

新しい世界の構築は、本来は、政治家や、大企業が動く事で、早く大きく変わることができます。ただ、どこまで本当の情報を得て、本気で取り組んでいるかで、結果は全く変わってきますが。

ここに、はぁとを照らし合わせたとき、実習生には、「日本語の専門性」と「その人のその先を想像する気持ち」で対応できることが多いと思います。つまり、①の「現状の問題解決」です。

だから今、この問題解決に、私も早く取り組めるような体制を、と思い、リーダー育成と、国内外での「和作り」を急いでいます。

「子どもの虐待」に関しては、「心の問題」というキーワードになるのではと、私は思っています。

となると、現状の問題解決は、精神的な専門家、公的機関の整備だと思いますが、その先にあるのは、「加害者がいなくなる社会の仕組みと人の心育て」です。

この「子どもの虐待問題」に関しては、私が日本語で関わることが出来るとしたら、「現状の問題解決」ではなく「新しい世界の構築」の方だと思っています。つまり、

「加害者がいなくなる社会の仕組みと人の心育て」

これは、日本語の専門性の出番は薄いと思います。

でも、「人として、自分がこの人だったら何をして欲しいのか」を想像し、家族のように他人にも接することが出来る「心」を育てることは、「日本語を使って」できると思っています。

時代とか、そんなことを理由にするのではなく、逆に、いつの時代も変わらないのは「人の愛情に満たされたい」と思う気持ちです。

ここに焦点を合わせ、足りない部分を補えるような活動ができれば、と思っています。

人の心の痛みを感じ、人を思いやることが当たり前、という感覚と社会を作りたい、それはきっと「難しい」とか「大変」とか言われるのだろうと思うのですが、でも、「みんなが欲しい社会」であることは間違い有りません。

これも「世界平和」という言葉にもちろん入っています。

今、このシミュレーションという言葉が適切か分かりませんが、JICリーダーの和作りと、仕組みの構築と、家族のような関係性がもしこの「JIC」という新しい世界の中で作れたら、継続できたら、きっと、次のステップに進めると思います。

そして、このJICリーダーの和が、最初から、日本全国、全世界を視野に入れた和作りをしていたら、実験を踏まえた後の「本番」は、きっとスピードアップできるはずです。

「日本語」に携わっている私達の次のステップは、日本語を使った社会問題の解決だと思っています。これは「時代」だからです。

昨日、技能実習生のドキュメンタリーを見て、ベトナムの方の
「私は、この国に奴隷になるために来たんだ、ということが分かりました」

というコメントが、あまりにも胸にささり、今日は、やりきれない気持をそのまま皆さんと共有させていただくことで、更に明日からの日々と活動に大切に向き合いたいと思い、書きました。

悪いのは「人」ではなく「仕組み」だと、思いたいと思っています

世の中の全ての加害者が、加害者としての人生を歩まなくてもいいように、そして、被害者が心身に傷を負わない、安心できる世界になりますように。

JICリーダー

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