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日本語教師の皆様のための 『授業に役立つ小さなアイデア集⑩ー教案の作り方ー編』

日本語教師の皆様のための 『授業に役立つ小さなアイデア集⑩ー教案の作り方ー編』

 

『教案の作り方シリーズ』の、今日は「文法のポイントと形の確認(練習A)」です。

過去の記事はこちらにあります。
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2024⑤
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2051⑥
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2058⑦
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2065⑧
http://naruhodo-nihongo.com/?p=2085⑨

1.「ウォーミングアップ」
2,「導入」
3.「導入確認」
4.「文法のポイントと形の確認(練習A)」←(今日はここです)
5.「ドリル(練習B)」
6.「ミニ会話(練習C)」
7.「応用/展開」

【4. 文法のポイントと形の確認(練習A)】

「文法のポイントと形の確認(練習A)」の定義づけは以下の通りです。
(この定義づけは、教師によって、学校によって違いがあるかと思いますが、私なりの定義づけと認識していただければと思います)

【目 的】
「導入で、文法の「概念」を入れた後、「文の作り方=公式や形」を示し、日本語での文の作り方がわかるようになる。」

と、ちょっとややこしい書き方かも知れません、すみません。。。

要は、「導入」で、「こんな場面で、こんな気持になった時、こういうふうに日本語では表現するんだ〜。今日はこういうこと勉強するんだ〜。」という、「何を」勉強するのかの提示が「導入」で、それを確実に「わかる」にするのが「文法のポイントと形の確認(練習A)」です。

これを、ぎゅ〜っと濃縮して書くと「導入は概念」、「文法のポイントと形の確認(練習A)」はルールの確認、となります。そして次の「練習」へと続きます。

 

【内 容】
『導入後の文法と形の提示』

どうぞご参考下さいませ。

 

今日も簡単です♬

<例:「〜てもいいですか」の導入の続き>

 

T:(「書いても いいですか。」をHBに書いておく。)はい、皆さん、読んで下さい。

S:「書いても いいですか。」
(こうやっていつも、何かを始めるスタートは、「Tが板書する」→「Sが読む」をしてから、次の展開に入るようにしています。単純なことですが、少しでも生徒が日本語を発話する機会を増やすためです。)

T:「はい、いいですよ。「〜ても いいですか」、ポイントが3つあります。」
(と言って、①分かりません。 ②人に聞きます。 ③します。と板書する。ちなみに、このポイント提示は、できるだけ「理解のステップに繋がっているようにします。)

「はい、みなさん、読んで下さい。」

S:「①分かりません。 ②人に聞きます。 ③します/しません。」

T:「はい、いいですよ。では、説明します。(or 言います)」
「①わかりません、は、どっちですか、わかりません、です。 ②人に聞きます、は、わかりませんから人に聞きます。 ③それから、します、しませんが、わかります。」

S:「はい・・・。」

T:「ではSさん、今、S2さんの家にいます。わあ、たぶん、おいしいジュースです。Sさん、飲みたいですか?」

S:「はい、飲みたいです。」

T:「飲みたいですね。飲みます、いいですか?わかりますか?」

S:「いえ、わかりません。」

T:「そうですね。①飲みます、飲みません、どっちですかわかりません。(と言いながら、ボードの①を指さす)」

S:「はい。」

T:「では・・・?」(と言いながら、②を指す)

S:「S2さんに聞きます。」

T:「はい、そうですね。S2さんに聞きますね。」(と言いながら、ボードの②を指さす)
「はい、聞きました。S2さんは、「いいですよ」言いました。じゃ、Sさん、飲みますか?」

S:「はい、飲みます。」

T:「飲みますよね。では、S2さんが、「それは、ちょっと・・・」言いました。Sさん、飲みますか?」

S:「いいえ、飲みません。」

T:「はい、そうですね。聞きました。それから、します、しません、ですね。」(と言いながらボードの③を指さす)
「みなさん、分かりましたか?では、①、②、③をノートに書いて下さい。「〜てもいいですか」のルールです。」

S:「は〜い。」(と言ってノートに書いてもらう)

T:「ではみなさん、「〜てもいいですか」の「〜ても」、ここは、動詞、形容詞、名詞、何ですか?」

S:「動詞です。」

T:「はい、そうです。動詞です。では、何形ですか?」

S:「て形です。」

T:「はい、そうですね。〜ても いいですか、は、「動詞のて形」、これもルールです。」

S:「はい、分かりました。」

T:「では、このルールもノートに書いて下さい。」

S:「は〜い。」

T:「では、もう一度チェックします。〜ても いいですかのポイントは・・・?」

S:「①分かりません。 ②人に聞きます。 ③します/しません。あと、動詞のて形です。」

T:「はい、そうです。これがルールです。簡単ですね^^ では、テキストのAを読みましょう。はいっ!」
(と言って、Aを読む。ここで終わりでもいいですが、まだ時間が取れるときは、このような展開も面白いですよ!)

S:「ここに座ってもいいですか。」(Aを1文読んだ後)

T:「みなさん、これは、どこですか?誰が言いますか?誰に言いますか?」
(つまり、例文から場面を広げていく。テキストの例文は、場面が想像しにくいことも多いので、導入の流れと逆発想で、例文から場面を広げていく。)

S:「え、どこ・・・。先生、わかりませ〜ん!」

T:「いえいえ、わかります。がんばってください。たとえば、でokです。たとえば、これはどこですか?」

S:「え〜っと・・・。」
(この時、初めて、この例文に場面を絡ませようと考え始めます。こうやって、例文に場面が後付けでもついてくると、もっと分かりやすいし、「あ〜、なるほど〜」と、より、納得するので、簡単で、楽しいチャレンジですよ!)

「じゃ、映画館です。」

T:「そうそう、いいですよ!では、ここは映画館です。そして、誰が誰に言いますか?」

S:「私が、隣の人に言います。」

T:「そうですね。では、どうして言いますか?」

S:「このいすは、隣の人の席・・・分かりませんから。」
(この「わかりません」という心理が出て来たらokです!)

T:「そうですね。分かりませんから、聞きますね。はい、いいです〜。では、次の例文は・・・」

というふうに、例文全部に場面を付けながら確認していきます。

以上です。

ここまでの流れでお伝えしたかったことは、

 

①文法のルールを、できるだけ箇条書きで、ステップをつけて提示する。メモしやすいように、覚えやすいように。

②品詞、形の確認も、教師が最初から言ってしまうのではなく、上の流れのように、全て生徒から引き出すと、生徒の発話が増え、生徒を褒める機会も増えるので、QAで、答えを導くようにする。

という2点を、できるだけイメージできるような流れで書きました。

おそらくこれを読まれている皆さんの中には

「こんなステップ、自分でアイデア出るかな・・・。ちょっと自分には難しいんだけど・・・。」

と思われた方も多いかも知れません。

確かにそうかもしれません。

ここが「分析」です。皆さん、恐らく、1冊くらいは、文法の参考書をお持ちだと思います。

そこには、文法に関する情報が、だいたい全部書かれているのでは?と思います。

それを見て、自分なりに、3つくらいのポイントに、というか、キーワードに近いくらいの情報に絞り込んで、その後ステップをつけます。

これが癖尽くと、結局「文法を教える」って、この部分だけなのです。

よく「文法を教えるのに自信がない・・・」と言われる方が多いですが、このBlogの内容、これだけが「文法を教える」という部分です。ほとんどの情報は、既にみなさんにお手元にあるはずです。あとはそれを「まとめる」だけです。

この考え方に慣れてくると、だんだん文法を教えるのが楽しくなり、自信が付いてきます!

 

っと、私なりのアイデアをお伝えさせていただきましたが、もし、皆さんにも、「いや、こっちの方がもっと簡単ですよ〜!」というアイデアがありましたら、教えていただけると嬉しいのですが、よかったらいつか^^

では、この記事を書いているタイミングは、ちょうどこの講座の直前ですので、こちらにも情報アップさせていただきます。

こんな風に、文法を簡単に整理して、分かりやすく教えられるように、という思いを込めた文法講座を7月と8月に開催します。

お役に立てそうでしたら、是非、お問い合わせ下さいませ♬

『文法集中スキルアップ講座』(オンライン参加も可、です!)

 

こうやってBlogに書くことで、私もいつも頭の整理ができています。

なんだか私の方が、ありがとうございました^^、というような気持です、毎回。

それでは、また次回もできるだけ分かりやすくお伝えできるように頑張りま〜す!

 

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