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『言葉の奇跡』と『日本語の試験』のこと。

こんにちは。

最近、私の周りでは、とても近い存在の方が亡くなられたり、病気になる方が多くなりました。

年齢と共に、なので仕方がない部分もあるとは理解していますが、その中でも、先日非常に近い方が脳卒中で倒れてしまい、病院に行きました。
体はゆっくりでも動くのですが、言葉が出なくなってしまいました。
その姿に私はとてもショックでした。
それでも、全く出なかった言葉が、「あー」とか「うー」とかは出るようにはなっています。でも、元の状態に戻ることができるのかは分かりません。
どうやってコミュニケーションを取ったらいいのか病室で悩みました。
こちらの言っていることは分かっているようです。
大丈夫な時は、ゆっくりと指で「OK」というようなサインをしてくれます。
「暑い?」と聞くと、首を横に振って「いいや」というようなジェスチャーをします。
でも、会話が続きません。
でも、何か意思疎通を図りたい。
でも、文字もどのくらい読めるのかが分からない、と先生から言われている。
その時、長男のM君が
「あ、お母さん、音楽とかどうやろう?!」と提案し、でも、私は複雑でした。
「歌えないのに酷じゃないのか・・・。」
でも、私が迷っている間にもM君はyoutubeで歌を探そうとしていました。
「あ、そういえば演歌とかよく聞いてなかった?!」
と、自分は全く演歌など分からないのに、何を頼りにか、一生懸命探そうとしていました。
そうしたら、本人が「ん〜、んんん〜ん〜。」と、ゆっくりリズムっぽい音を発し始めました。
「え、聞きたいですか?!いいんですか?」と私。
そしてゆっくりとその声というか音に耳を傾けると、
「あ、北国の春だ!M君、きたぐにのはる、って検索みて!」
私はその時既に何故か感動して心が震えていました。
泣きそうになっていまいた。
そして病室なので、ギリギリのボリュームで流しました。映像も見せながら。
そうしたら、その「ん〜、んんん〜、んん〜」という音は少しずつ大きくなり、首を振る動作が少し大きくなり、そして最後に
「か〜えろ〜かな〜。」
と、北国の春の最後のフレーズを、か細い声で言葉にしたのです。
必死に声を出そうとしていました。
涙を流しながら。
私はこのときほど、声が出ると言うこと、言葉を思いのまま口から出せるということに感謝と感動をしたことはないかもしれません。
思いを伝える道具が自分に当たり前のように備わっているという幸せ。
伝えたい思いがあるという幸せ。
私にもこれらがなくなる日がくるかもしれません。
私に事件や事故が起こらない可能性はありません。
そして、側に、この時のM君のように「なんとか言葉を感じて欲しい。口に出して欲しい。」と、強く思い、愛を人に傾けることができる、そんな思いを私も常に人に感じてもらえる人になりたい、そして、私がそうなったときには、そんな人に寄り添っていてもらいたい・・・。
言葉が口から出せる当たり前と奇跡。
そして言葉を仕事にしている今の私の人生を、何かにリンクさせて考えずにはいられません。
言葉に携わっていらっしゃる方には、特にお伝えしたいと感じた出来事でした。
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外国人の方が受ける日本語の試験には、いろいろなものがあります。
1番は「JLPT」と呼ばれるもので、年間に約60万人の方が受験されているそうです。
留学試験もここ数年、よく耳にするようになりました。
その他にもこんなものがあります。
http://pjc.sikaku.gr.jp/blog/japanese-language-tests-comparison
いろいろな特徴がありますが、意外と日本国内より、海外の方が知られているテストもあります。
 
Top-Jというテストは、先日スリランカに行ったときは皆さんよく知っていました。
 
そして今、このリストの中のどれかがスリランカに導入できないか検討しています。
 
試験は、学習者のモチベーションにとても効果があります。
もちろん目的ありき、かもしれませんが。
 
大学進学目的。
日常会話のため。
ビジネスのため。
 
いろいろな目的を持って日本語を勉強している学習者のモチベーションアップと自信に、いつも「JLPT」という選択だけじゃなく、学習者に合った試験のチャレンジをお勧めするのもいいのでは、と思います。
 
よかったらご参考に♬
 
では、どうぞ充実した週末をお過ごし下さいませ。
 
入江ちほみ

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