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日本語教師が心理学を学ぶ意義~学習性無気力を例に~

 

こんにちは! 松で~~す(^0_0^)/

水無月になりましたね。さっき調べてみたら

「無(な)」は「の」にあたり、

「水の月」と言う意味だそうです。う~ん、納得!

 

今日は今さらですが

日本語教師が心理学を学ぶ理由について

書いてみたいと思います。

 

私は日本語教師をしていますが、

別の学校では

臨床心理学や心理学の講義もしています。

医療系の専門職を目指す人たちが対象です。

それで初回の授業では必ず

心理学とは何か」「心理学を学ぶ意義は?」というのをします。

 

月曜日のブログは日本語教師のための心理学をテーマとしているのに

そこのところの説明をちゃんとしないまま

3か月が過ぎようとしています(-_-;)

が、今さらながら心理学について熱く語りたいと思いました。

 

たまに心理学を、占いや霊的なものと思われている方がいらっしゃるのですが、

声を大にして言いますと

心理学は行動の科学です!!

 

科学っていうのはつまり

同じ条件のもとで同じことをすれば同じ結果が起こる、

再現性があるということです。

*こころの研究法についてはまた別の機会にお話しします*

 

こころを目で見ることはできませんが

これまでの研究で明らかになっている

人間の行動の法則は心理学を学べば誰でも知ることができます。

 

じゃあ、それが分かるとどんなことができるのでしょう。

 

自分のことや他人のことをよりよく理解することができる。そして

人間の行動を予測し(こういう対応をしたら、こういう反応や結果になる)、

制御できる(よくない行動を起こりにくくする)のです。

その結果、人の生活の向上を図ることができると考えられています。

 

 

例えば、

がんばった結果、成功したり、成績が上がったりするとやる気が高まりますが、

どんなにがんばっても、失敗し、成績も上がらないと、やる気を失ってしまいます。

人はどうしようもない状況を繰り返し経験すると

「自分は何をやってもだめだ」と思い、無気力になってしまうのです。

これを心理学では学習性無気力(Seligman & Maier, 1967)といいます。

 

教師が学習者に与える課題は

その人の能力よりも少しだけ難しいものが適切で、

難しすぎても簡単すぎても、やる気が出ないと言われています。

 

学習性無気力を起こさないようにするためには

いつも難しい問題を与えるのではなく

3回に1度くらいは成功体験ができるような課題を出すのがいいでしょう。

 

クラス単位の授業をしている教師は

どうしても全員に同じ課題を課してしまいがちですが

たまには各人の能力に合った課題を与えて

成功体験をつませることで

学習者に自信とやる気をつけてあげたいものです。

 

教師がこのような学びの法則を知っているかどうかで

日々の指導法も大きく変わるのではないでしょうか。

自分や学習者の特徴や性格を理解したうえで

行動の科学である心理学を取り入れると

学習者との関係や授業の質の向上、

ひいては学習者の能力の向上を

図れる可能性があります。

 

もちろん、人間は一人一人違うので

全ての人に当てはまる法則とは言えませんが

心理学が日本語教師の教育活動の参考になる

といっても過言ではありません。

 

これからも日本語教師のみなさんの役に立つ

心理学のお話をしていきたいと思いますので

ど~ぞよろしくお願いします!

 

それではまた来週~!

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